ゲヘナAn考察:攻撃魔術篇

攻撃魔術編

まだメモの段階。4レベルまでを取り扱い。
前提としては特定の魔術に対して専業で(対応能力値は5である)やってるキャラクターを前提。

種族の有利不利

対応能力値が伸びはじめて、それによって判定数に差が出るのが総ランク40から。つまり一本伸ばしで5レベルの術技をある程度覚えたところで初めて差が出てくる(=4レベルまで扱ってる現状では気にすることはない)。
それでも40ランクの時点では大抵能力値+1(強制力にして0.5)の差分なので、強制力重視(まず相手の《精神抵抗》を抜く)ことを重視する立場からは銀糸の民の「魔術適性」にはほぼ敵わないことになる(例外:人間なら能力値+2なので期待値上はタメ以上、半妖霊は「炎適性」の関係上、《炎術》に関しては銀糸の民のタメ)。

面白味も何もないが、火力という意味合いで強くするなら銀糸の民(《炎術》なら半妖霊もアリ)、そうでないならどの種族でも大差がないというのが実情なのかもしれない。
高レベルになってくると判定数を増やす意味合いで、伸びる能力値と必要能力値がマッチしてたほうが強いのだろうが…。今回の考察はそこに届く前の話なので除外。

炎術

【放ち爆ぜる炎】 1レベル 効果値+[ランクx3]+1
【放ち葬る炎】 2レベル 効果値+[ランク]
【広がり殺す炎】 3レベル 効果値+12で固定
【猛り滅ぼす炎】 4レベル 効果値+[13/20/30]
【放ち滅する炎】 4レベル 効果値+[4/6]

【放ち爆ぜる炎】は初期作成段階では最もバランスのとれた魔術。2ランク止めにしても十分な火力なので、白炎の魔術にに回す余裕もできる(回復重視なら攻撃は【放ち葬る炎】1ランクを取って済ませる、という取り方もできるが、ダメージ差がありすぎる気がする)。

【放ち葬る炎】は連撃が当たることが前提になるが、通常の連撃に直すと初撃から最後まで「通常」の攻撃段階で攻撃するようなもの。
つまり最初は抵抗されやすく、連撃回数が増えて強制力に余裕が出たとしても、効果値を増やすように基準値を上げることもできない。
2レベル時点では判定数は7、強制力と効果値の期待値はいずれも3.5なので、与えるダメージは仮に2ランクの連撃が2回当たっても9点(+連撃増加値による2回目の攻撃での効果値の増分)にしかならない。銀糸の民か半妖霊なら強制力期待値が4.5になるので、ダメージが出やすい。効果値を種族魔術で上げることも可能なので、ダメージを増やすという観点からもオススメできる。
3レベルの場合連撃回数+1、判定数+1。強制力期待値が4(銀糸の民か半妖霊なら5)で効果値期待値は4。20点程度のダメージは見込めるだろうか。
これに闘技や種族魔術を絡めると強い。連撃の特性上、【強く、満たせ】【耀舞・風火】とも相性がいい(効果値の増加が連撃の各回に乗るため)。
ただ、ダイス目次第では抵抗されて連撃が終了したりする事故も起こりやすいのも確か。

【広がり殺す炎】は威力が固定で攻撃範囲が広がる魔術である。しかも「扇状」かつ「術者を扇の要とする範囲」と微妙に使い勝手の良いんだか悪いんだかわからない。
威力も【放ち爆ぜる炎】4ランク相当と割と見劣りがし、3レベルまで来てこれは泣けてくる。お陰でこのレベル帯では《風術》にいいところ取られっぱなしというアリサマである。同じレベル帯の回復魔術である【降り癒す炎】が3ランクで効果値+21点の回復をする(消費気力は高いが)魔術で、これと対になってる黒炎術があれば、と多くの享受者が思ったに違いない。

その分、4レベルから(5レベル以上の魔術はまだ検討してないが)は炎術の面目若如と言うべきか、ダメージ値が跳ね上がってくれる。
【猛り滅ぼす炎】は最大ランクで従前の魔術の倍以上の固定ダメージを誇る上に射程もあり、範囲攻撃も可能と使い勝手が格段に上がってくる(1単位の部隊を遠距離から巻き込めるのも嬉しい)。
単体攻撃で十分で、強制力も相手の《精神抵抗》を抜ける、という前提なら【放ち滅する炎】も有用になってくる。連撃ボーナスに[効果値+3]が入るため実質の固定ダメージは+9になり、ほぼ【放ち爆ぜる炎】を3連発すると思えばいい。【放ち葬る炎】と同様に【耀舞・風火】や【強く、満たせ】との相性もよく、使い分けのために両方を取ることも選択肢に入るかもしれない。
問題はその強制力がどこまで出るか…判定数は9程度なので初回強制力の期待値は4.5(銀糸の民と半妖霊で5.5)しかなく、抵抗前提であるならば連撃なぞ捨てて【猛り滅ぼす炎】の方がよっぽどマシである。《覇杖術》3レベルに強制力+2の闘技【魔舞】があるが、最低でも9ランク《覇杖術》に費やすほどかと言われると疑問である。途上に魔法使い向けの闘技があればよいのだが。

風術

【爆ぜてつんざく風】 1レベル 効果値+[1/3/6/10] 《避け》と強制力-1 天空属性
【空を切り裂く風】 2レベル 効果値+[0/1/2/2] 4ランク使用時は「抵抗連撃可能」 風属性
【雷をもたらす風】 3レベル 効果値+[10/14/18/24] 雷属性
【空を断ち割る風】 4レベル 効果値+[3/4/5/5] 4ランク使用時は「抵抗連撃可能」 風属性

 《炎術》よりトリッキーというか、追加効果があったり、属性のバリエーションがある(黒炎属性には耐性を持つ魔物が少なくない。逆に黒炎に弱い魔物も少なくないが…)一方で、威力や燃費の悪さ(消費気力は乗せてないが、比べればわかってもらえると思う)という癖のあるのが《風術》。個人的には低レベルでもサポートに定評があるのでこのレベルで攻撃魔術を覚えるのはお勧めしないが。

 低ランク時はほぼ【爆ぜてつんざく風】一択になるだろう。《避け》(たいていのGMは魔物の回避値は一律で1下げてくれるだろう)が下がってくれるのは地味に嬉しいが、固定ダメージ部分は4ランクで使わないと【放ち爆ぜる炎】より文字通り1ランク劣る。

 2レベルの【空を切り裂く風】も1ランク分【放ち葬る炎】より劣る。と言ってもたかが1点(されど1点)。連撃が止まる可能性は4ランクで使って「抵抗連撃可能」を入れることで補えるが、消費気力も多目なのでちょっと辛い。20ランクでとめて《雑芸術/ジャグリング》とのコラボレーションを目指すのはアリかもしれない。どちらかというと逆にジャグラーが8ランク3レベルになって、その後のジリ貧を組み替えるために取得する魔術と考えるのもアリかもしれない。その場合でも【放ち葬る炎】との比較で劣る気がしないでもないが…

 攻撃魔術として1段輝くのが【雷をもたらす風】。3レベルで攻撃を《風術》に頼るなら必携。同レベルの《炎術》がダメージがランクに依存せず一定の【広がり殺す炎】なので、2ランク目から単体へのダメージ力で勝り、4ランクで使えば固定分が倍、効果値を勘定に入れても1.5倍以上の火力(そして射程も長い!)と、単体火力魔術としてはこのレベル帯屈指の威力を誇る。

 その代わり4レベル目に《炎術》と違い攻撃魔術が連撃モノしかないという悲運。【空を断ち割る風】は抵抗連撃可能状態にすれば(抵抗されてしまうとダメージは通らないので)ムラっ気はあるものの使えないわけではない魔術に化けてくれる。1回抵抗されたら終わり、ではないので【耀舞・風火】なども無駄にはなりにくいのも救いか。
《風術》は自分でダイス目のコントロールができ、ダメージを増やす魔術もある(《炎術》は闘技)ので、燃費さえなんとかなれば色々工夫のしどころはあるかもしれない。

邪眼術

【打ち据える眼】 1レベル 効果値+7
【気を奪う眼】 2レベル 効果値+3(気力)
【狙い貫く眼】 3レベル 効果値+10
【螺旋を描く眼】 4レベル 効果値+10(生命力と気力の両方)

 「邪眼無効」「邪眼ダメージ減少」をデフォルトで持った魔物はいない代わりに、視界による判定修正がかかるというハンディキャップも持っているのが邪眼。
ダメージがランクに依存しないのも特徴。射程が伸びる弓があるのも特徴といえば特徴。

 【打ち据える眼】はダメージが【放ち爆ぜる炎】の2ランクと同じ。ただし燃費は2ランクまででは悪く、3ランク目になると逆にこちらのほうがよくなるという塩梅。
白炎使いが1ランクだけ覚えるというのは(どうせそんなにバカスカ行使しない、という前提なら)アリなのかもしれないですな。さらに作成時に取得すれば邪視の弓が売れる!(それはどうよ)

 【気を奪う眼】は珍しい気力ダメージの魔術。大概の魔物は気力のほうが体力より少ないのが相場ながら、一方で気力にダメージを与えるキャラがそんなに多いわけでもないので、一人で気力をペチペチ削るよりは全員で生命力を削ったほうが普通は早いという説も。魔術使う魔物は割と多く気力を持っているので、魔法封じ狙いというのも難しそうな感じですな。
逆に一般人に行使すれば多分確実に気絶させられる(GMの裁量次第だが)という観点を持つと、むしろ便利魔術に分類すべきなのかもしれない。一般人を殺さず無力化する、しかも射程があって防ぎにくく準備動作も不要…やべぇ。

 【狙い貫く眼】は【広がり殺す炎】に対して気力消費は同等以下、ダメージ的にはは2点マイナスですが射程が長い、直線状貫通という稀有な攻撃範囲は意外と有用。3ランクで使うと燃費は【広がり殺す炎】に比して倍以上と、戦線を支えるには十分な性能を持つ。

 一方で【螺旋を描く眼】は気力へもダメージを与えてはくれるものの、ダメージが一緒で効果範囲が個人になってたりと弱体化の様相。5レベルからは専用武器による連撃が主流になってくる可能性を考えると、邪眼の上位魔術としてはやや物足りない感じで、ここらへんは《炎術》側が4レベルで火力の大幅UPをはたしているのとは対照的。《風術》も連撃魔術ではあるが攻撃魔術の強化は果たしている(かつ、大ダメージ魔術は3レベル段階で持っている)ので、4レベルではやや忍耐を強いられる可能性があるのではないだろうか。

神語術

【言の葉の槍よ、敵を貫け】 1レベル 基本的に12点(強制力7以上で16点)
【言の葉のつぶてよ、落ちろ】 2レベル 5点ないしは9点(強制力7以上で12点)
【破片よ、舞え】 2レベル 5点(強制力7以上で7点)
【命刈る大鎌よ、舞え】 3レベル 基本的に18点(強制力8~9で22点 強制力10以上で26点)
【亡者の嘆きよ、破滅を呼べ】 4レベル 18点ないし12点(強制力9以上で24点)
 何といっても抵抗されないのが最大の利点にして特徴の神語術。そのかわり燃費の悪さと安定性のなさ、事故った時の大惨事度合いも並大抵ではなかったりするのがチャームポイント。

 【言の葉の槍よ、敵を貫け】は燃費が悪いものの、強制力が1あれば補正で12点のダメージが出ると言いかえると、判定数が低くてもそれなりにダメージの出る魔術と見ることができるあたりがポイント。

 問題はダメージの増量が【命刈る大鎌よ、舞え】までないことあたり。もっとも【言の葉のつぶてよ、落ちろ】は範囲攻撃では最も早く習得できる部類だったり、【破片よ、舞え】については神語術の中では屈指の低燃費(単純な文法だからか?)を誇ってたりと見どころはあるものの、他の魔術だと抵抗半減でも与えられる程度のダメージでは持ち味を殺してると言わざるをえない。

 【命狩る大鎌よ、舞え】はこのレベル帯では馬鹿にならない火力、【亡者の嘆きよ、破滅を呼べ】は火力が安定してるがさすがに《炎術》には劣る(抵抗半減を想定しても微妙に分が悪そう)。

雑芸術/水芸

【貫き倒す魔氷】 2レベル 効果値+[ランクx3]+2
 2レベルになった代わりにダメージが1点増えた【放ち爆ぜる炎】。属性も前提条件も違うがそこには目をつぶる。
 問題は魔術の使用条件か…使えるシチュエーションがかなり限定されてしまう。